編集後記

堀田滉樹

まず無事にこのような冊子を制作することができ、大変嬉しく思います。 まったくもって編集やデザインのプロではなく、どうすればいいのかと戸惑っていたのも束の間、進めれば進めるほど徐々にその輪郭を見せてくれる姿にいつしかワクワクがとまりませんでした。 完成した今は愛着さえも湧いている、そんな状況です。

振り返ってみると、編集やデザインのプロではなくて良かったのだと思います。 ある程度の制作の経験や参考になるデザインの引き出しがあり、なんとなくそこに当てはめながら作っていくほうがスムーズに進んだのかもしれません。 ただ、初心者が初心者なりに頑張って、知恵を絞って、話し合って、ときには少しひと休みする日もあったけれど、また気を取り直して作っていく。 そんな過程が愛おしい日々として、この冊子にも、私の記憶にも刻まれたのだと思うから。

「記憶」はいつも誰かの頭の中に刻まれていて、でもいつかはなくなってしまう。 当時の風景も香りも雰囲気も何もかも。でも僕らには「記録」が残されている。 当時の人々が残した記録を頼りに、想いを馳せる。 そして僕らも声で、文字で、写真で、動画で、あらゆるもので今を「記録」する。 またいつか、それは100年後、1000年後かもしれないが、僕らの「記録」を発見し、想いを馳せ、繋いでいってくれる人が現れることを切に願う。

最後に、展示の準備や冊子の構成など1から話し合いを重ねてきた松本家計画のメンバー、 冊子への寄稿に協力してくださった皆さん、この冊子を手に取ってくださった皆さん、関わってくださった全ての方に感謝の意を表したいと思います。 本当にありがとうございました。

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